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俺の後輩でボクシングの世界チャンピオンになったのがいる。生意気なヤツだった。先輩の俺にきちんと挨拶は出来ないのはおろか人のことをおちょくったことをするのだ。ある日、その後輩が履いてた3時間練習した汗びっちょりのシャツを放り投げたのが俺の顔に当たった。ここで何も言わなければ、ボクシングなどせず、卓球でもした方がいい。俺はその後輩をリングに無理やりリングに引きずり上げた。後の世界チャンピオンなのだからさぞ強いとお思いだろうが、実はそいつは昔弱かったのだ。
何しろ、その後輩は、色が白く、ガリガリでもやしみたいなやつだったのだ。相手が弱いと余計に強くなる俺は、その後輩を叩きのめし、リング中央で高笑いする、はずだった。だが、それはさすが後の世界チャンピオン。殴られたら倍返しするようなヤツで俺はそいつと泥仕合をするハメになった。ボクシングに限らず何でもある程度上達すると泥仕合するとカッコ悪い。結局、後の世界チャンピオンの株を上げるだけの結果となってしまった。
結局、ソイツの初試合を観たのが俺が引退して何年かたった東洋タイトル戦で、世界タイトルを獲ったときは構えや動きは変わって無い物のまるで別人だった。世界チャンピオンになったヤツと泥仕合が出来て光栄です、と言いたいところだが、年上の俺を敬う心は無いどころか俺に恥をかかせてくれたその後輩は未だ腹が立って仕方が無い。
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